2016年6月28日火曜日

幻のコーヒーと日本人


トアルコトラジャコーヒーの特徴

世界で生産されているコーヒー豆には、大きく分けて2種類のコーヒー豆があります。コンゴ原産のロブスタ種とエチオピア原産のアラビカ種です。ロブスタ種は低地栽培され、丈夫で収穫量も多いのが特徴です。

しかし、アラビカ種は乾燥・低温・高温多湿や病害虫にも弱く、栽培に非常にきめ細かな配慮が必要になります。その中でも最高峰と言われているのがインドネシア・トラジャ地方で栽培されているトラジャアラビカ、通称トラジャコーヒーとよばれるコーヒーなのです。


インドネシアのコーヒー栽培は、17世紀末に開始されました。中でも戦前栽培されていたトラジャコーヒーは、ヨーロッパの王侯貴族用で、その希少性と上品な風味がごく一部の人に珍重されるだけでした。

しかし、第二次世界大戦がはじまると、栽培どころではなく、農場は荒れ果て、トラジャコーヒーは死滅したと思われていました。いつしか“幻のコーヒー”となった豆を再び本格的に生産しようと、昭和40年代半ばにキーコーヒーがトラジャの農場開拓に乗り出しました。



ジャングルの開拓・道路造りから、コーヒー苗の植え付けなど、様々過程を経て、復活を遂げます。そして1978年3月、日本国内で販売が開始されました。現在もキーコーヒーが、厳しい品質管理で厳選した豆をトアルコトラジャコーヒーとして販売しています。

高級豆として知られている、トアルコトラジャコーヒー。日本人の活躍なくしてはこの豆の復活はなかったのです。キーコーヒーの方は地元のトラジャ族とインフラの整備から始め、栽培の指導まで行いました。現在よく言われているフェアトレードも、当初から行っていたそうです。


当たり前のように飲んでいるコーヒーですが、そのコーヒー1杯になるまでには、たくさんの人の努力と労力、時間が使われています。またコーヒー豆にも、簡単には語れない歴史や思いがありました。

情報元:Coffee Mecca

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